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当時、森林組合に勤めており、当日の朝、仕事のため松阪へ向かったが、その時点で車のワイパーが効かないほどの雨だった。事務所から災害被害の連絡を受け、宮川沿いを車で移動したところ、木がスクリューのように回りながら流されていた。

雨はですね、一週間ぐらい前からぐずぐずした天候が続いていたと思います。しかし、本格的に降りだしたのは28日の夕方頃から強くなってきて、29日の午前中までが凄かったかと思います。

問い:雨の量とか強さは今まで経験された雨とは違いましたか?

私はその時9時頃に車で松阪市へ走っていたんですけどココ(大台町)の状態は分からないんですよ、でも松阪へ行く途中でもワイパーを強くしても効かないくらいずっと降っていました。12時頃まで松阪にいたんですけども組合から連絡が有って組合の工場が山の土砂で押しつぶされているから直ぐ帰るように言われました。途中の宮川の川の流れがうねって、根っこから抜けた杉の葉の部分がスクリューの様になって「ダッー」と流れて来るんですよ。あんなのは初めて見ました。帰ってくる時も宮川ダムから国道へ向けて水が溢れて来ていて通行止めになっていたので向かい側を回って帰って来たんです。

問い:森林組合に帰って来られて回りの様子はどうでしたか?

なんと言うか「てんやわんや」、あそこは避難場所になっていてそこへ避難して来ている人がたくさんいました。そして、夕方になったら自衛隊がやって来て、警察がやって来て、各市町村から毛布の差し入れや給水車などの応援が来てくれていました。

問い:森林組合にいると上流地域の様子などの情報も入って来ていましたか?

停電で電話も通じないので情報は何も分からないんです、奥の事は。

問い:29日の夜はそのまま森林組合の方にいたんですか?

はい、帰るに帰れなかったです。

問い:翌朝の状態はどうでしたか?

朝には雨は止んでたんですけどもどこから手を着けて良いか分からない状態でした。自宅のある大杉の辺りは大変な事になっていると伝え聞いて、もう一人の職員と5時頃に自宅へ向けて歩いて帰りました。

問い:森林組合からご自宅まで何キロぐらいありますか?

20キロはあって、10キロは組合の車で、通行止めになっていたので10キロは歩いて帰って来たんです。

問い:その道中はどんな様子でしたか?

道に土砂や杉の木が倒れ込んでいて避けながら歩きました。

問い:特に目に飛び込んで来た光景で印象的な事はありますか?

道がえぐられて30センチほどしか残ってない箇所を歩いて帰って来たところもありました。

問い:岩や土砂などはいかがでしたか?

小谷という谷は押し出された土砂で埋まっていました。それこそ土建屋さんでしたら何日も何日もかかってブルトーザで押し流さないといけない状態が続いていました。
ガードレールがあってこっち2車線なんですけど水量が大きな岩をガードレールを越えさせたんでしょうね。土石流が水の中をずっと流れていたんだと思います。それだけ勢いがあった。

問い:ごろごろ流れて来た石とか岩はどのくらいの大きさですか?

両手で抱えるぐらいの石がたくさん道へ上がっていました。

問い:そういったモノが流される力があったという事ですか?

そうそう、濁った水の中にあるという事でしょうね。

問い:当日29日、家に帰れなかった日なんですが、当然連絡がつかないという事で奥様とも連絡も?

電話が通じなかったので連絡しなかったと思うんです。ココは昔から雨の多い地域なので抜ける所は抜けてしまって「筋肉マン」みたいに、ココの土地は骨だけ残っているので災害には強いんや、という思いが昔からあったのでこんなにえらい事になっていないだろうという気もあったので、そんなにもという思いもあったんです。帰ってきたら「水に浸かった」と言われてびっくりしたんです。

問い:ご自宅の被害というのはどの様でしたか?

床下浸水ぐらいで、金銭的にはそれほど。買ったばかりの乗用車が半分ぐらい浸かって車屋さんにみてもらったら分解が必要で1カ月かかると言われました。

問い:ご自宅の浸水は何センチぐらいですか?

畳まで行かなかったので30cmぐらいだと思います。

問い:ちなみに、普段雨量のない時に宮川の水面からご自宅までの高さはどれぐらいでしょう?

16年の災害が来るまでは水面から10mはあると思うんですけど。もっとあったかも。それで上流の東又が大崩壊して土砂で埋まったんだと思います、5メートルほど土砂が。今もダンプカーで土砂を上げてるんですが、これで4回目です。

問い:今現在でも土砂が。。?

今でも台風ごとに奥の崩壊したところから崩れて来るんですわ。で、取っても取っても同じ事を繰り返している。

問い:林業に携わっている身として雨が降ってもココは大丈夫という意識は変わられましたか?

意識というか、ここ全体がどこが抜けても不思議じゃないと思うようになりました。昔抜けたような跡もあるんですが再生していて「ココは危ない」とか「ココは大丈夫」という区別が付きません、地域全体で。
それと「杉、ヒノキを植えてあるから抜けやすい」とか「広葉樹だから崩壊し難い」という差があまりないと思います。生えている植物によって崩壊し易い、し難いとかないと思います。杉ヒノキは手入れされてないと根が張ってなくて危ない、と言われますが、深層崩壊になると関係ないと思います。それよりも雨の量が昔と比べると変わりました。夕映えの雨の量も子供の頃とは変わりました。

問い:似たような水害と言うと伊勢湾台風になりますか?

伊勢湾台風は雨の量も多かったですが、川の相が変わるとか山が抜ける等はなかったです。木が倒れたりはしたんですが。

タイトル 平成16年台風第21号豪雨体験談映像(大台町 細渕 淳輔)
概要 当時、森林組合に勤めており、当日の朝、仕事のため松阪へ向かったが、その時点で車のワイパーが効かないほどの雨だった。事務所から災害被害の連絡を受け、宮川沿いを車で移動したところ、木がスクリューのように回りながら流されていた。
タイトル2 ヘイセイ16ネンタイフウダイ21ゴウタイケンダンエイゾウ(オオダイチョウ ホソブチ アキスケ)
概要2 お名前:細渕 淳輔
ご住所:多気郡大台町岩井
発生時にいた場所:宮川沿い
当時の年齢:
公開レベル 公開
出典 みえ防災・減災センター
提供者 三重県・三重大学 みえ防災・減災センター
提供者公開フラグ 公開
原本の保管場所
コンテンツの取得日時 2018年 02月 03日
コンテンツの住所 三重県多気郡大台町岩井
コンテンツの撮影場所 三重県多気郡大台町岩井
タグID 宮川,平成16年(2004) 台風第21号・土砂災害,多気郡 大台町
コンテンツID 平成16年台風第21号豪雨体験談

動画に関する詳細情報